イタリア旅行記-28

*これは2012年4月の話です


それでは、ジェラート休憩も終わった事だし、イタリア最後の晩餐前に、また散策を楽しむとしよう。



くつろぐヴェネツィアの人達








ヴァポレット(水上バス)から





そして早めに夕食を取ろう、という事で、店へ向かう。


最後の夕食をするレストランは、

Ostaria al Diavolo e L'Aquasanta (トラットリア アル・ディアーボロ・エ・アクアサンタ)

という長い名前のバーカロだ。
日本語にすると、「悪魔と聖水」というすごいインパクトの店名だ。

中に入ってみると、名前から受けるような暗いイメージはあまりない。
まあ黒っぽい内装だが、陰湿な秘め事をしている…なんて感じは全くしない。


まだ早い時間なので空いている。

かなりふくよかだが、愛想の良く無さそうなおばちゃんにテーブルに案内され、
「ジャポネーゼ?」
と聞かれたので「イエス」と答えると、日本語のメニューを持ってきた。

日本語のメニューには、逆に少し警戒してしまう。
ぼったくられないだろうか…と無意識に思ってしまう。



しかし、日本語のメニューを見てもイマイチ料理が分からないのが難点だ…。

マリネを頼もうかと思ったが、妻がセロリを食べられないので、思案する。
ダメ元でおばちゃんに聞いてみる。

セロリの英語名すらわからないので、セロリはそのままセロリで英語で喋ってみる。
「マリネにセロリは入っていますか?」

「セロリ?」

「こう、緑色で長細い野菜なんだけど…。」
そういえば、セロリの詳しい説明なんて日本語でもできない。

「セダン?」

セロリはイタリア語でセダンと言うのだろうか…。
おばちゃんと顔を見合わせて「う~ん」とお互いに唸る。

すると、厨房にふりかえり、「ちょっとマリネ持ってきて!」らしき言葉を大声で発した。
う~ん、男前なおばちゃんだな。

やがてボールごと持ってきたマリネの中にはやはりセロリが少量入っていたが、これくらいならよけて食べられる、という事で注文。

他は量も分からないので、パンも無料で来たし、アンチョビのパスタと白ワインだけ注文。



やがて料理がやってきた。
マリネは美味しいが、パスタは日本ではあまり無い、1本がとても太いパスタだった。
これも悪くないが、もっと細いのが食べたかった。


ここはバーカロである、という事は、立食用のメニューもあるという事だ。
それらはテーブル用のメニューには載っていない。

それも食べてみたいということで、空いているのを良い事に、またダメ元でおばちゃんに聞いてみる事に。


「あっちの料理も注文できますか?」
と指さして聞いた瞬間に、
「カモン!!」
とさらなる男前な様子でディスプレイまで案内してくれ、端から
「ミート、ツナ、オニオン、スタッフフィッシュ、…」
と大声で教えてくれた。

それらは、ほとんど全てが小さく小分けにされた揚げ物だった。

スタッフフィッシュはなんだか分からないが、とりあえず上の4品を注文。
それにしても、なんでも聞いてみるものだ。


食べてみると、美味しい!



一つが小さいので、まだ食べられる。

追加注文に行った時に、
「何かお勧めありますか?」
と聞くと、また端から
「ミート、ツナ、オニオン、スタッフフィッシュ、…」
…、おばちゃん英語話せないんだね…。

ミートとツナだけ注文。



完食です。
いやー、美味しかったけどおばちゃんとのやり取りが一番面白かった。
イタリア語がわからなくても結構自由になるもんだ。

最後、記念におばちゃんに夫婦二人の写真を数枚撮ってもらったが、後で見たら全部ボケているよ…。


随分空いている店だと思ったが、会計を済ませて外にでてみると立食の地元の人であふれている。
これでヴェネツィアスタイルなんだね。



まだ外は明るいので、もう少し外を歩いてみるか。
最後の夜なわけだし…。


つづく。

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